koji.m

2013/5/17 ものづくりの技術者

すっかり暑いです夏です。走っててもかなり焼けます。

水分補給をしっかりしないといけません。

さて、先日も酒蔵の醸造責任者の方とご一緒する機会があって色々お話伺えたわけです。

ビールのこと、ブルーパブのこと、醸造のこと。タメになりました。

蔵人とかブルワーの方で責任者になられる方は大学で微生物研究とかされてた方が多いようで、やっぱりそういう素養があってこそ醸造という世界で活躍しやすいと。

今年30歳の私が今からその基礎を身につけてビールを作る、というには少々スタートが遅い、とご指摘頂いてしまいました。

これに関して、ビール造りという点では全くそのとおりで、今になってようやく色々情報収集して人脈を広げてるわけですからそれはそう。

ただ、ビールを造らなかった代わりに、調理の勉強をして、接客を学び、店舗運営と経営に携わってきました。だからこそ、ブルーパブをスタートの目標に置いてると。

ビールを造ってきて、ビールを売りたいからブルーパブをやる、っていうのが、どうやらブルーパブ開業の一般的な流れっぽいんですが、私は逆からいってます。

飲食で独自性の高い店をやりたい。武器になる商品がほしい。からブルーパブ。って発想でスタートしました。

飲食の人にはわかってもらいやすいと思うけど、最近よくお話する醸造の方にはなかなか理解してもらえない。

それはとにかく醸造っていう仕事が大変だと痛感してらっしゃるからなんだと思います。

だから基本的にはみなさん厳しいご意見を下さります。笑

5年以内くらいで独立したいって話をする(本当は2年くらいでと思っている。笑)と、それじゃビール造りはまだまだ習得できないよと。

免許の取得に関してはやっぱり大変なようなので、ビアパブとして営業しながらブルーパブへのステップアップを目指すっていうのがスムーズでしょう。

多くのクラフトビールのブルワリーがそうなんですけど、年間60キロリットルの製造販売ができないので、酒造免許は「発泡酒」でしかおりません。

「ビール」と「発泡酒」の違いっていうとクラフトビール的な解釈で言うと副原料が入ってるかどうかでしょう。フルーツとかスパイスを入れると、麦芽100%でも発泡酒になる。

なので、発泡酒免許しかないブルワリーは「ビール」は造れない。必ず副原料を入れないといけない。ということはピルスナーもペールエールもスタウトもケルシュも、まともには造れない。造ったら密造になって罰せられる。

(はずなのに、ビールを造って売っちゃってるところもあるとか。)

小規模ブルワーの悩みがやはりここで、ビールを造りたいけど造れないから、色んなフルーツを入れるしかない。ものづくりの技術者としてはかなりストレスだそうです。

あとは、ビールであれば、酒税の減税措置がある。けど発泡酒にはない。

これはきっと大きい。

平成 2 5 年度税制改正(租税特別措置)要望事項

ビールの酒税に関しては色々問題がありすぎて今日は書きませんがとにかく高いのでこれがクラフトビールの市場拡大を難しくしております。

話はかわりますが、酒蔵が作るビールっていうのはなかなか理にかなっているというお話もありました。

なんせ日本酒っていうのは冬仕込むものですから、夏はヒマなそうで、その間にビールを造ることができる。

というと簡単に聞こえますけど、実際、現場的には、じゃあ冬はビール造らなくていいのかというとそうでもなく、冬の仕事量が極端に増えたと。笑。

前回の食博覧会で酒蔵が造るクラフトビールを色々学びましたけど、やっぱり酒蔵のビールには清酒造りの精神が反映されているのを、直接お話伺ってみて改めて感じました。

端的に言うと、IPAがない。こんだけIPAが流行ってる昨今にも関わらず、酒蔵3社で15種もビールを持ってきてIPAが一種類もなかった!

IPAを造らない理由は、杜氏が大吟醸じゃなくて本醸造の酒を好むから、というもので説明がつきます。食中酒にこだわってるんだと思います。

ただ、食中酒の完成度を高めるのってやっぱり難しいんだと思う。料理の邪魔をせず、かといって味気ないものにもならず、料理を引き立てるだけのキャラクターはある。っていう繊細なバランス感覚。そういうのってIPAにはあまりない。

酒蔵のビールって、そーんなにマニアウケがよくなかったり印象が薄かったりパフォーマンス悪いとか言われたりしてるみたいなんですけど、バランスの良いビールを造るのって難しい。

でも結局買って下さる消費者の嗜好に合うのかどうか、自己満足で造るんじゃなくて。飲食店の販売のしやすさとか経営的な制限も考慮して製品を造るとなると、ものづくりが難しくなっていく。

他にも色々とコンペティション受賞の裏側とか、大手ビールの原価のお話とか、狭い業界だから顔売っとくべき人は誰かとか、タックスオンタックスについてとか。

とまぁそんな話を色々と伺えて、大満足なわけでした。

もっといろいろ書きたいところですが、ウォートが沸騰したのでこれくらいで。笑