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2015/1/21 統計学が最強の学問である

1月も下旬になり大吟醸造りが佳境を迎えつつあります。

春が待ち遠しい。

冬ごもりしながら春からの作戦を考え中。

事業計画を作ってるつもりがいつの間にかクラフトビール市場環境の分析と考察に陥ってしまワナです。

最近のクラフトメーカーにアンケートした統計では、

1社あたりの平均売上が年商8700万円にまでなって前年比14%増と二桁成長を続けてるというニュース。

リッター1,000円で単純計算して年間製造量87,000リットルが平均。

これでも儲けの出てるところは多くないだろうなぁ。

そしてこのアンケートは上から166社を対象にしてるような数字だから、残りの下から100社ほどは極端に低い数字だろう。

平均すると1週間で2KL弱の製造量。毎週2バッチ作って売る。

二極化してるような気もします。

で、タイトルの本「統計学が最強の学問である」を読みまして、まぁ図書館でずいぶん前に予約してた本です。

キャッチーなタイトルでけっこう売れたんじゃないかな。

最強かどうかはわからないが、統計学が経営戦略上ものすごく重要なのはなんとなくわかる。

この本、統計学的には入門的に優しく書かれてるんだろうけど、

久々に高校の授業を思い出す程度には数学的な内容なもんで、、、普段使わない頭を使いました。

統計学が最強の学問である –

チェーンカフェではPOSって当たり前にあって当たり前のようにデータを使ってたけど、会社の誰もがそのデータから、この本に書かれてるような統計的分析はできてなかったなぁ。

結局19世紀の統計学者がやってきたような集計と平均でしかなった。

微積分とか使って色々分析しようと考えたときもあったけど至らず。

回帰分析の勉強が必要だったんですね。

後半はちょっと小難しくなって読むのが面倒だったけど、ランダム化比較実験が最強ってところはちゃんと理解できてよかった。

ちょっと引用

・「正解のない意思決定」について、正解がないのであればとりあえずランダムに決めてしまう、という選択肢の価値はもっと認められるべき

・統計学的な裏付けもないのにそれが絶対正しいと決めつけることと同じくらい、統計学的な裏付けもないのにそれが絶対誤りだと決めつける愚かさ

・ランダム化の限界 「1回こっきりのチャンス」あるいは、あったとしてもせいぜい数回程度しかチャンスがないもの自体を取り扱うことに対して、ランダム化しようがしまいが統計学は無力である

さて、データ収集と分析って個人的にはすごく重要だと思う、というか好きだ。

それをみて戦略的な意思決定をするのも好きだ。

けど、個人の飲食ってそもそもデータの収集自体が稚拙になりがちで、意思決定に意思以外のエビデンス(ってやたらこの本にも出てくる、根拠)がなかったりする。

ちょっと前まではPOSシステム自体が比較的大きな投資を必要としてたわけですが、タブレットが出回り始めてからはかなりハードル下がってますね。個人飲食でもPOSのデータ収集は必須なんじゃないだろうかと。(いや、そんなことはもうしてる?)

販促のキャンペーンを打つときに、とりあえず試してみるっていうのはよくわかる。

でも会社の会議って得てして、そのキャンペーンに今期の成否の全てがかかってる!みたいなことになりがちで、なのに統計的な裏付けなんてそもそもありはしないのに上層部がノーと言わないようなありきたりな施策で落ち着いてしまう。こういう不毛なやりとり疲れます、けど多い。

とにかく答えがないからやってみよう!っていうこともあるにはあるけど、一つのキャンペーンだけやって、意味あったかな?いや、なかったかな?くらいのサマリーしかなかったり。

複数のキャンペーンをランダムでやってみて結果を分析するって難しい。日本は特にそういう感覚遅れてる気がする。

しかしランダム化が最強って言ってもそれはデータが色々比較できるほどたくさんある場合で、個人の零細事業って、そもそも毎回が1回こっきりのチャンス、一発勝負みたいなところあると思う。

過去のデータってやっぱり過去でしかなくて、そこからの予測の枠からはみ出したことをやろうと思ったら数字のエビデンスなんて無力(か微力)なんじゃないかなって思います。

ブルーパブには、アメリカの数字のエビデンスはあるけど日本のデータではない。

だからこそ意思決定に、意思以上の根拠がないんだな、って思わせられる本でした。

起業ってエネルギーいりますね。