2015.03.04BLOG
2015/3/4 勉強会!その後、乱文
3月頭はビールなスタート。
大阪の伝説的なビールイベントに一ブルワーとして参加できました感謝。
あとは関西のメーカーが集まって勉強会に出席。
国税局の先生からのありがたいお話はこのブログでもすでにまとめた情報でした。
データのソースが書籍やネットで出回ってるのでしかたないか。
自分で調べられる範囲では調べてるつもりなので、ある意味確認ができてよかった。
それよかむしろ洗剤メーカーのCIPの話のほうがよかったな。
あとはこれからのクラフトビールの話。
国産クラフトビールのレベルって確かに上がってるけど、
それが行き着くところまで行けばどれもこれも似たような商品になるんでは?
っていう問題提起と、じゃあオリジナルの醸造技術を確立しよう、っていう発想はよくわかる。
でもそれが日本酒のテクニックだったりワインのテクニックだったりっていう、
うーん、、なんかちょっとずれちゃうかなか。飛び道具にはなるかもしれないけど。
世界中でクラフトビールが作られるようになって、それがどんどん日本に入ってきてる。
低温コンテナで品質もキープされたままほぼリアルタイムで世界中のクラフトビールが飲める。
今我々小規模メーカーは何をしたらいいのか?
という勉強会初日でした。
メーカーのレベルはほんとピンキリで100kl造るところもあればブルーパブで6klギリギリってところもある。
技術的なレベルはかなり差があるだろうなぁ。。
そして二日目は大阪で最も力のあるビアパブオーナーの、ビアパブ経営者からみたクラフトビールについてのご講義。
これが熱かった。
まずは地ビール解禁から20年を振り返り。
そんで関東と関西の差を見て、関西メーカーの怠慢、不勉強をぐっさりやられました。
開業して10年以上レシピやスペックを変えずに今まで作り続けてるメーカーも多い。
それを伝統とかうちの味って固執しちゃってますね、っていう指摘。
原料もどんどん新しくなってるし、醸造技術も新しいテクニックの情報があるから、それに取り組まないと置いてかれる。
もちろんホップなんかはかなり流行りものになってきてて、
そのサイクルは短い。
だから最初そうやって指摘されたときは、流行りものでキャッチーな商品開発をしないとビアパブとしては売りにくい、って言ってんのかなって思った。
でもそうじゃなくて、そういう新しい原料や技術にも取り組んでいって、
レギュラー商品もスタイルは守りながらその中身はマイナーチェンジしていかないと、ってことだった。
そういうインプットとしての情報に敏感になりながら、
自社の商品情報のアウトプットにももっと真剣に取り組むべき。
ビールのスタイルやアルコール度数、IBU、ホップの品種はもちろん、
提供温度やケグ詰めしてからのストック期間、ガスボリューム、酵母の活性の良し悪しやそこから影響するフレーバー、品質のブレ具合なんかも、ビアパブは知りたいと。
それが単純に減点加点の評価になって取引に影響するっていうよりは、
そういう情報発信・提供ができるかどうか、そこが信頼になって取引になってると。
ただ定期的に顔出して挨拶してれば信頼されるっていうわけじゃないってことですね。
商品の正確な情報、それに基づいた提供方法の調整まで提案してほしいと。
先日見て来られた、アメリカでのクラフトビール。
日本の10年先って言われてる。10年先かぁ。
IPA一色って感じだったのももはや廃れたようで、
むしろ原点回帰でジャーマンスタイルやベルジャンも出てきてる。
アメリカにある4000とか4500とかあると言われるブルワリーの半数以上はブルーパブぽい。
他の地域に出まわらず地元で消費されるだけの小さなブルワリーは、
スタイルやジャンルを限定して特化した造りをしてるらしい。
オープンファーメンテーションで全部造ってるupright brewingとかとんがってたなぁ。
ロゴデザインからグッズのデザインもやっぱり違うと。
アパレルとも連携して、プロモーションミックス。そういう視点が必要。
大きなボトルビールの熟成もやってて、ワインのような感覚で高単価商品高付加価値商品が売れる。
800種類ものボトルビールを扱う酒販店があって、
そこにメジャーなクラフトビールは数種しかない。
ほとんどローカルなクラフトビールメーカーの商品だけでラインナップされる。
アメリカのホームブルワーはそもそもレベルが高くて、ブルーパブをオープンした段階で醸造技術がある。
小さなロットでも要所要所をしっかり押さえた造りだから美味しい。
ガスボリュームのコントロールとかpHコントロールをしてないメーカーがある。
技術的な格差が広がってるって言われて是正するための勉強会なんじゃないのか?
どこをお手本にすればいいんだろう。もっと他のメーカーの仕込を見ないとわからない。
そういう具体的な話がなかった。
去年のスモークエールの感想がけっこうひどかったなぁ。
まぁ狙ったところがスモーク100%ってところだったから、そういう意味では正しい評価か。
でもあのあと最初のバッチから、2回め3回めと評価を上げていくっていう作業が必要なんだろうなと。
限定ビール1発で終わるから評価がイマイチ。そういうのもひっくるめてコミュニケーション取れればってことなんだと思う。
限定ビールで色んな挑戦をして、新しい原料や製法で試行錯誤したり、
他のメーカーとコラボして技術交流をはかる。
そうやって積んだ経験を活かして、レギュラー商品のマイナーチェンジ、ブラッシュアップをする。
今売れてる先頭集団のメーカーがやってる取り組みってそういうことの繰り返しなんかもしれない。
話題作りとかマニアを喜ばせるためだけのサービスなんだって決めつけてたけど、
ちゃんとやってるところは明確な目的があってやってたのかも。(そうじゃないところもあるとは思うが)
っていう今更な気付きを、親方にご指導頂いて得られたのでした。
他のメーカーがどういうことやってるのかって、ちょっと話したくらいじゃ正直わからんもんな。
この三日間はビール醸造について改めて意識が変わった貴重な時間でした。
消費者がどうこう余計なことを考えずに、
製造業としてあるべき姿っていうの、初めて考えたかもしれない。
話した内容のメモ的内容のため乱文ご容赦くださいませ。